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風情残す墨田にギャラリー 築100年の建物に「海野貴彦商店」 陶器や絵画など展示、販売

2024-08-18 HaiPress

廃材を使った展示台に、陶器や絵画が並ぶ店内=いずれも墨田区で

かつて営業していたふとん店の看板を掲げるギャラリーが、東京都墨田区京島のキラキラ橘商店街にある。愛媛県を拠点に活動する画家・海野(かいの)貴彦さん(49)が5月に開設した「海野貴彦商店NANZO」。古いリヤカー、穴の開いたトタン板-。地域の歴史を色濃く残すギャラリーでは、常時30人ほどの作家の陶器や絵画などを展示、販売している。(小形佳奈)

京島在住の土井靖子店長(49)によると、ギャラリーの入る木造2階建て建物は1923年の関東大震災直後に建てられたという。1階のひさしの上には「紅月ふとん店」と書かれた看板が残る。

建物をギャラリーに改修する際、地域で出た廃材を使うことを心がけたという。展示台には建物解体などで不要になった板を利用し、飲み物を提供したり会計をしたりするカウンターは古いリヤカーを改造した。新たに設けた茶室の天井代わりに置かれた穴の開いたトタン板も味わい深い。

ふとん店の看板が残る

リヤカーを改造したカウンター


商店街のある京島や区北部の向島、八広、文花周辺の「八島花(やつしまはな)」エリアでは、2020年から古民家などでアート作品を楽しむ芸術祭「すみだ向島EXPO」を開催。海野さんも21年から参加している。ギャラリーには、海野さんの作品やEXPOを通じてエリアに興味を持った人のほか、最近では訪日客も多く訪れる。

京島ではこの10年ほど、若手アーティストの移住が増えている。海野さんは「美を追求した楽しく遊べる場所になった」と自負。コーヒーやお酒を飲みながら長時間滞在する人もいるという。


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