広島・長崎への原爆投下から80年がたち、戦後の核廃絶運動や被爆者の証言などの記録を伝承する活動が岐路に立たされている。
2024年にノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(被団協)と連帯して、関連の書籍や冊子などの保存に取り組むNPO法人「ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会」(東京都千代田区)は、資料を後世にどのように残し、伝えていくべきか、有識者から意見を聞くなどして検討作業を本格化させている。(中根政人)

「継承する会」のワーキンググループ会合で、被爆者関連資料の歴史的意義を説明する昭和女子大の松田忍教授(中)=12月13日、東京都千代田区で(中根政人撮影)
「継承する会」は、ノーベル文学賞受賞者の作家・大江健三郎さんらの呼びかけで2011年12月に発足した。現在は、約2万冊とされる書籍や冊子などを、東京都杉並区とさいたま市南区の施設に所蔵。1956年の被団協結成大会で読み上げられた宣言文や、約1万3000人の被爆者からの証言を含む調査記録などの保存に努める。
だが、被爆者のみならず、継承する会を支えるスタッフも高齢化。原爆被害など戦争の記憶の風化にも直面する中、社会や教育現場で資料をどのように読み解きながら活用すべきか、資料の保存体制をどう持続させるかが緊急的な課題だ。
こうした状況を踏まえ、継承する会は、今後の活動のあり方を考えるワーキンググループを6月に発足させた。
今月13日に開かれた2回目の会合では、継承する会で代表理事を務める被団協の浜住治郎事務局長(79)が「私たちが収集してき...
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