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新宿の「廃校」で奇妙な怪談読書会 消毒の匂い、不穏な音…「体験型」で向き合ったエゴ

2026-08-28 HaiPress

この夏、新宿の廃校跡で奇妙な読書会が開かれた。薄暗い教室で、このために書き下ろされた怪談小説を読み進める。物語は途中で終わり、どんな結末を迎えるかは読み手の選択次第。虚構と現実が交錯するような世界に入り込んだ。(押川恵理子)

小説の中に入り込んだような雰囲気に演出された怪談の読書会=新宿区で(Tales&Co.提供)

◆「夕暮れの廃校は消毒液の匂いがした」

7月中旬の午後、20人ほどが読書会に集まった。会場は「三年二組」。窓には暗幕が張られ、赤色の照明が薄気味悪く教室内を照らす。入り口にはろうそくと除菌用シート。「ゲームマスター」と名乗る男性に誘導され、参加者はシートで手を消毒する。中央には古びた机と、いす。それらを囲んで参加者は着席し、怪談作家・梨さんの短編小説「燐火(りんか)第13号」を一斉に読みだした。

夕暮れの廃校は消毒液の匂いがした──。そんな一節から小説は始まる。帰省中の女性が母校を訪ね、親友と過ごした高校3年生の夏を回想していく。文芸部だった女性らは文化祭に向けて怪談小説を書くことに。筆が進まないまま締め切りが迫り、2人は霊に質問する「こっくりさん」を教室で試し、その様子を小説風に仕立てることにした。

教室中央の机には、こっくりさん用の文字盤や10円玉などが置かれている=新宿区で(Tales&Co.提供)

読書会が開かれた教室内は冷房で肌寒く、不穏な音がかすかに聞こえる。中央の机にはこっくりさん用の10円玉や文字盤が置かれ、小説の中に入り込んだような雰囲気だ。参加者の中には、ブツブツと声を出して小説を読む男性や、自分はサクラ(偽者の客)だと言い出す女性、小説の主人公の名前を名乗って話し出す女性ら。そうした演出があり、虚構と現実が入り交じるような奇妙な感覚に陥った。

◆分かれる結末罪を負うのは自分か親友か

読書会の参加者を誘導するゲームマスター=新宿区で(Tales&Co.提供)

小説は終盤、読み手に決断を迫る...

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