
いよいよ夏本番。蒸し暑い日が続く8月の酷暑を乗り切るために、日本には古くから暑さをしのぐ知恵として「納涼」という言葉が受け継がれてきました。
「納涼」とは、暑さを避けて涼を楽しむこと。厳しい暑さに見舞われる日本では、屋外に水をまいて涼をとる打ち水や優しい音色で涼を感じる風鈴など、少しでも心地よく夏を過ごすための工夫が暮らしの中に息づいています。
特に8月は「納涼」と銘打ったお祭りが各所で開催され、真夏の東京にいながら涼しさを体感できます。富岡八幡宮の深川八幡祭りでは、神輿の担ぎ手も観衆も一体となって水を浴びながら、夏の暑さを忘れるひとときを過ごせます。
さらに、夏祭りの醍醐味といえば、櫓(やぐら)の周りで輪になって踊る盆踊り。現代的な要素が融合した神田明神の納涼祭りも、昔ながらの日本の夏を体感できる大師夏まつりも、夜を彩る提灯の明かりの下でノスタルジックな雰囲気に浸ることができます。
東京の各地で行われる夏祭りに足を運び、8月ならではの熱気と涼を感じてみてはいかがでしょうか。
◆8月12日(水)〜16日(日)富岡八幡宮(とみおかはちまんぐう)深川八幡祭り(江東区)
◆8月7日(金)~9日(日)神田明神納涼祭り(千代田区)
◆8月22日(土)・23日(日)西新井大師(にしあらいだいし)大師夏まつり(足立区)

大量の水を浴びながらダイナミックに進んでいく神輿
江戸三大祭りのひとつに数えられる深川八幡祭りは、富岡八幡宮で開催される伝統的な例祭です。夏の暑さを吹き飛ばすほどの熱気に包まれる大通りを、神輿が水しぶきを上げながら進んでいきます。
別名「水掛け祭」としても親しまれる本祭は、「わっしょい、わっしょい」という掛け声を上げながら神輿を担ぐ人々に、沿道から清めの水が浴びせられるのが恒例です。観客もバケツや水鉄砲を持参すれば、神輿や担ぎ手に水をかけることができます。ただし、防水対策や着替えの準備はお忘れなく。
さらに、令和8年の深川八幡祭りは、八幡宮の御鳳輦(ごほうれん)が渡御(とぎょ)を行う3年に一度の本祭り。最終日には氏子各町54基の神輿が勢揃いして、永代通りや江戸資料館通りを練り歩きます。頭上から大量の水が降りそそぐ中での神輿連合渡御は、見る者を圧倒する迫力です。
祭り期間中には、翌年の鎮座400年を記念した写真コンテストも開催されます。豪華な賞も用意されているので、現地で心を動かされた風景を写真に収めて、ぜひコンテストに応募してみてはいかがでしょうか。

大通りを埋め尽くす人々で賑わう連合神輿渡御の様子
開催場所:富岡八幡宮、周辺の大通り
開催日時:8月12日(水)〜16日(日)
アクセス:東京メトロ東西線・門前仲町駅より徒歩3分、都営地下鉄大江戸線・門前仲町駅より徒歩6分、JR京葉線・越中島駅より徒歩15分

リードダンサーが境内に建てられた櫓の上で軽快な踊りを披露
伝統的な盆踊りに現代的な演出を取り入れた神田明神の納涼祭りは、従来の夏祭りのイメージを覆すような多彩な催しが楽しめます。
新旧のアニメソングを織り交ぜて行われる「アニソン盆踊り」は、秋葉原の街と連動した祭りならではのコラボレーション。昔懐かしの楽曲から最新のヒットソングまで、音楽で会場がひとつになる瞬間を多くの人々とともに体感することができます。
さらに境内には、豊富な種類のグルメ屋台が多数出店。ビールや日本酒を片手に、お酒に合うおつまみを探して屋台をめぐるのもおすすめです。
初日にアニソン盆踊りが行われたあと、2日目と3日目には各町会がリードする伝統的な盆踊りも開催されます。祭りの期間中はぜひ現地へと足を運んで、現代と伝統が組み合わさった夏祭りの盛り上がりを肌で感じてみてください。

観衆が一体となって音楽に身をゆだねるアニソン盆踊り
開催場所:神田明神
開催日時:8月7日(金)~9日(日)
アクセス:JR御茶ノ水駅(聖橋口)より徒歩約5分、JR秋葉原駅(電気街口)より徒歩約7分、東京メトロ丸ノ内線・御茶ノ水駅(1番出口)より徒歩約5分、東京メトロ千代田線・新御茶ノ水駅(B1出口)より徒歩約5分

櫓の上で太鼓が打ち鳴らされ、熱気にあふれる祭りをいっそう盛り上げる
境内を埋め尽くすほどの人々が集い、櫓を囲んで伝統的な盆踊りが繰り広げられます。西新井大師で行われる大師夏まつりは、どこか懐かしい日本の夏を感じられる祭りです。
下町エリアの中でも最大級の盛り上がりを見せる行事で、屋台が立ち並ぶ境内には大勢の人々が来訪します。境内中央に建てられた櫓を中心に、四方に張り巡らされた提灯の明かりに照らされながら、伝統的な盆踊りを踊る姿はまさに夏の風物詩。
さらに、期間中は地元のお祭りを盛り上げるために、足立区西新井を拠点にして活動するチームが続々と登場。粋西連(すいさいれん)による阿波踊りや牡丹太鼓(ぼたんだいこ)、西蓮太鼓(せいれんだいこ)の演舞など、伝統を現代に伝える躍動感あふれるパフォーマンスは必見です。
そして、大師夏まつりの賑わいを象徴しているのが、リズムよく打ち鳴らされる太鼓の音。力強い太鼓の音が境内に響き渡る中、盆踊りや阿波踊りの熱気を肌で感じるーーこれぞ日本の夏祭りという風情を味わえます。

提灯の明かりの下に大勢の人々が集う盆踊り
開催場所:西新井大師
開催日時:8月22日(土)・23日(日)
アクセス:東武大師線・大師前駅より徒歩3分、東武スカイツリーライン・西新井駅より徒歩20分
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