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「いじめ重大事態」の調査が進まない…杉並区は9件が「滞留」 はっきりしてきた「第三者委員会」の限界

2026-03-04 HaiPress

東京都杉並区立小学校で2022年春、当時2年生だった悠真君(仮名)がいじめを受け、法律で定める「重大事態」に認定されながら、区教育委員会の第三者委員会の調査が4年近く長引いている問題。


小2児童はなぜいじめにあったのか、なぜ4年も放置されているのか

いじめられ続けているのに「担任は解決したと言っています」…発生から4年、調査は滞り児童は登校できないまま


学校側の初動対応の鈍さが長期化を招いた一因だったが、関係者への取材から、第三者委が抱える構造的な課題も見えてきた。(佐藤航)

X(旧ツイッター)で杉並区の第三者委員会の問題点を指摘する悠真君(仮名)の母(上段)

◆「命つなぐ思い」わが子の苦境をSNSで発信

「杉並区では、いじめ重大事態調査が9件滞留しており、未来を選ぶどころか1日1日命をつなぐ思いで過ごしている子どもがいます」

弁護士でもある悠真君の母は今年に入り、X(旧ツイッター)で、わが子の苦境やいじめ対策の課題を積極的に発信するようになった。中でも繰り返し訴えてきたのが、多くの案件を抱える杉並区の第三者委の現状だ。

◆いじめ「要件」満たしていたのに、認定は遅れて

いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」は、いじめによって児童の生命や身体などに重大な被害が生じた疑い、または不登校を余儀なくされた疑いがある場合に、学校や自治体が認定する。

認定後は、調査組織を設置し、事実関係を明らかにする調査の義務が生じる。

悠真君は殴る蹴るなどの暴行を受けて不登校に追い込まれ、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の診断も受けた。

要件を満たすのは明らかだったが、学校の初動対応が鈍く、児童への聞き取りが不十分だったことから事実確認が遅れ、発覚から1年たってようやく重大事態に認定された。

杉並区が作成する「区子どもの権利に関する条例」のパンフレット。いじめなどから守られる子どもの権利が紹介されている

◆不備の多い報告書原案足りないマンパワー

第三者委の調査が終われば、学校は調査結果に基づいて加害児童に指導できるようになり、学校の責任も明確になる。悠真君家族の期待は高まったが、その後も解決に向けた動きは加速しなかった。

第三者委は2023年12月末、悠真君家族に調査報告書の原案を示したが、一部の暴行が含まれていないなど不備が多く、母は調査再開を求める意見書を提出。そこからは何の進展もなく、いじめの発覚から間もなく4年になろうとしてる。

なぜ、第三者委は十分な調査を行えなかったのか。

悠真君の母は「複雑な事態を調べるにはマンパワーが足りてない」と指摘する。

◆少ない委員で多数の調査…区議会でも懸念が示されて

杉並区の第三者委は弁護士や医療、心理の専門家などで構成され、定員は...

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