11日に開票された東京都荒川区長選では、無所属新人の元都議・滝口学氏が、自民、公明の推薦を受けた元区議の町田高氏ら2氏を破り初当選を決めた。政党の看板を押し出して戦った町田陣営は及ばず、裏金問題で広がった不信感があらためて鮮明に浮かんだ。(細川暁子、鈴木里奈)
◇荒川区長選開票結果
当30455滝口学54無所属新①
27285町田高50無所属新
6658茂木正道70無所属新
「冷ややかな目で見られた。『うらがね~』と野次られたり」。落選が決まった11日午前11時すぎ、裏金問題の影響を問われた町田氏は力なく答えた。
荒川区長選で敗れた元自民区議の町田高氏(右)。告示日の出陣式には、公明政調会長の岡本三成氏が駆けつけた=3日、東京都荒川区で
10月末の衆院選で自公は大敗を喫した。区長選告示を1週間後に控え、町田陣営のある関係者は「(自公)推薦を返上しようか」と一時思い悩んだという。
ただ、荒川区を含む東京29区では公明政調会長の岡本三成氏が自民の推薦を受けて当選した。「いきなり(自公連携を)やめるわけにもいかない」(陣営幹部)との事情もあり、両党名を前面に掲げ臨んだ。知名度の高い小泉進次郎衆院議員をはじめ自公の国会議員を応援弁士に招き、岡本氏も町田氏と並んで支持を訴えた。
だが、有権者からは「今回だけは自民はダメ」などの声が多く聞かれたという。陣営幹部は「想像以上に逆風は厳しかった。裏金問題のとばっちりだ」とうなだれた。
荒川区長選で落選が決まり、敗戦の弁を述べる町田高氏(中央)=東京都荒川区で
「政治とカネの問題で政治への信頼感がなくなる中、既成政党ではないという期待が集まった」。政党推薦なしで当選した滝口氏は勝因をこう分析した。選挙戦では「国政のこと」として裏金問題には触れず、防災対策など区政の政策説明に注力したが、「普段アプローチできていない層からも反応があった。相手陣営には(裏金問題が)逆風になったかもしれない」と振り返った。
選挙戦では小池百合子都知事の動向も注目されたが、表だった動きは見せなかった。小池知事は衆院選で岡本氏の応援に入るなど公明と良好な関係にある一方、滝口氏が区長選直前まで属していた「都民ファーストの会」の特別顧問も務めている。滝口氏は「どちらも応援しなかったので影響はなかったと思う」と分析した。
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