多彩な日本舞踊家が競演する「第58回推薦名流舞踊大会」(東京新聞主催)が19日、東京都台東区の浅草公会堂で開かれた。長年会場としてきた国立劇場(千代田区)の閉場により、初の浅草開催。ベテランから新進気鋭の若手まで9流派17人の出演者が、晴れの舞台で優美な舞踊を披露した。
清元「保名」を披露する藤間涼太朗=東京都台東区の浅草公会堂で
2022年に日本舞踊新鋭賞(東京新聞制定)を受賞した藤間涼太朗さんは、狂乱物の大曲、清元「保名(やすな)」を上演。愛する人を亡くした男性の悲しみを切々と表現した。
長唄「京洛の四季」を披露する若見匠晄太朗(左)と花柳邦秀雅=東京都台東区の浅草公会堂で
今年の全国舞踊コンクール(東京新聞主催)の邦舞第1部で1位の花柳邦秀雅(くにひでまさ)さんと2位の若見匠晄太朗(わかみしょう・こうたろう)さんは、二人立ちで長唄「京洛の四季」を披露。若手らしい清新でダイナミックな踊りを見せた。日本舞踊で「最古の流派」とも言われる志賀山流の志賀山千尋さんは、古雅な趣の清元「山姥(やまんば)」で魅了した。
清元「山姥」を披露する志賀山千尋=東京都台東区の浅草公会堂で
古典の物語や日本の美しい風景を織り込んだ演目の数々に、観客は惜しみない拍手を送っていた。(林朋実)
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