東京・明治神宮外苑地区の再開発で、伐採樹木を減らすなどした見直し案について事業者が28日、港、新宿両区民向けの説明会を開く。外苑周辺の住民のみが対象だった昨夏の説明会後、住民からは誰でも参加できる説明会を求める声が出ていたが、今回も対象は外苑がまたがる両区民、計600人に絞られる。
説明会は28日に新宿区の日本青年館ホテルで開催。事業者側の明治神宮、日本スポーツ振興センター(JSC)、伊藤忠商事、三井不動産の担当者が30〜40分ほど見直し案などについて動画を交えて説明し、残りの時間で質問に答える。午前10時〜正午と午後2時〜同4時の2回で、それぞれ新宿区在住・在勤、港区在住・在勤の人が対象。各回とも先着約300人。質疑応答ができる会場に入れるのは約200人で、残る約100人は別室で説明会の音声を聞くだけとなる。
明治神宮外苑(2023年撮影)
事業者が計画の進捗(しんちょく)に合わせてこれまで開いてきた説明会は、いずれも対象者を近隣住民らに制限。昨年7月は外苑から約380メートル以内の住民らと法人の計約1万3000人に絞った。今回は新宿区、港区からの要請を受け両区民を対象とするが、同じく外苑がまたがる渋谷区では開かない。
対象を限った開催について、11日に都庁で記者会見した三井不動産の担当者は「広い関心は理解しているが、全国民を対象とすることは物理的に難しい」と説明。再開発をめぐっては、日本イコモス国内委員会などが見直しを求めてきたが、こうした提言への回答予定もないという。
開かれた説明会を求めてきた、地元の市民団体「明治神宮外苑を子どもたちの未来につなぐ有志の会」の加藤なぎさ代表は「対話の姿勢がない。専門家の指摘に回答しなければ、住民の心配は解消されない」と訴えた。
説明会の申し込みは再開発のプロジェクトサイトで17日から27日まで受け付ける。(押川恵理子)
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