ホーム 自動車メーカー 親子教育 娯楽 モバイルゲーム 技術 もっと

爆弾で自宅ごと粉々になった友だち…その家にあったサルスベリの花を見る夏は「涙が出るんです」

2024-08-15 HaiPress

<平和の俳句2024>

百日紅(さるすべり)爆死の友の鎮魂花(ちんこんか)


斎藤幸一(89)東京都町田市

「家族ごと戦争の犠牲になった友達の家にあったのがサルスベリ。毎年夏に咲く花を見ると涙が出るんです」。自宅近くの広場にあるサルスベリの前で、斎藤さんは経験を語った。

◆軍属の父はサイパンで亡くなった

戦時中、空襲の激化に伴い東京・小石川から足立区に一時避難。軍属の父はサイパンで戦闘に巻き込まれて亡くなった。訃報の電報を握り締め、物置に駆け込んだ母の姿を覚えている。

サルスベリの前で自身の経験を話す斎藤幸一さん=東京都町田市で(池田まみ撮影)

学校では、同級生の「石黒くん」と仲良くなった。「くろちゃん」「こうちゃん」と呼び合い、毎日のように遊んだ。くろちゃんの家の工場で製造したあめをもらうこともあった。

1944年春、自宅で本を読んでいると、大きな音とともに衝撃を感じた。コンクリートの塊が台所の屋根を突き破っていた。

「お友達の家が大変なことになっちゃったよ」。祖母に手を引かれて向かうと、くろちゃんの自宅も工場もなくなっていた。爆弾で粉々になった建物の破片をかき分け、姿を捜したが見つからなかった。

花が咲く間、毎日広場を訪れ、くろちゃんを思う。「生かされた命だから世の中の役に立ちたい」。今は地元の高齢者クラブなどの活動に取り組んでいる。(服部展和)

◇◇

若者を兵器にする人間魚雷が保管された洞穴、空襲で犠牲になった友の家にあったサルスベリ…。今も残る場所や草木が、戦争を経験した人たちにいや応なく「あの日」を思い起こさせてきた。東京新聞が8月中に掲載している、読者が詠んだ「平和の俳句」。ウクライナやパレスチナ自治区ガザなどで今も戦火がやまぬ中、つづられた「平和の俳句」には、悲しみ、怒り、不戦への願いが宿っている。

【関連記事】毎日1句紹介「平和の俳句2024」特集


【関連記事】防空壕を出ると、機銃掃射の銃弾が降り注いだ…東京で「戦場」見た90歳が願う「孫もひ孫も戦争に渡すまい」


免責事項:この記事は他のメディアから複製されています。転載の目的は、より多くの情報を伝えることです。このウェブサイトがその見解に同意し、その信頼性に責任があることを意味するものではなく、法的責任を負いません。 このサイトのすべてのリソースはインターネット上で収集されます共有の目的は、すべての人の学習と参照のみです。著作権または知的財産権の侵害がある場合は、メッセージを残してください。

最新の

<行ってみたら>六本木でアートの祭典 27~29日

江戸川乱歩生誕130年記念 豊島を「ミステリーの街」に 11月に「としまミステリーフェス」 朗読劇や謎解き

幼少期に見た戦争、90歳を超え一冊の文集に 「死んだら経験も考えもなくなる」 遊びや学校生活、空襲など克明に

東京都内基準地価 23区 2年連続で全地点上昇 住宅地 都心5区は平均9.6%

<北川民次展―メキシコから日本へ>(上)《ロバ》最も身近な動物を誠実に

外苑ラグビー場スタンド「築76年」は「盛った」数字? 事業者は「老朽化」を建て替えのアピール材料に

© 著作権 2009-2020 毎日の时事    お問い合わせください  SiteMap