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少子化が深刻化する中、ベビーフードの製造・販売を手がけるスタートアップ「MiL」(ミル、東京都港区)が、食育の視点を重視した商品で存在感を強めている。3児の父で社長の杉岡侑也(ゆうや)さん(35)は「味覚から子どもの感性を育んでいきたい」と話す。(山中正義)

商品について説明する杉岡侑也さん=東京都港区のMiLで
離乳食を始める月齢5カ月以降の乳幼児食ブランド「the kindest(カインデスト)」を電子商取引(EC)サイトや全国の小売店で販売している。商品数は150を超え、一つのブランド名で離乳食からおやつ、飲み物、幼児食まで幅広い商品をそろえる。
業界大手が築いてきた「お手ごろな価格で安心安全」の市場に、「国産や有機(オーガニック)素材にこだわり、親たちの信頼を集めるブランド」になることを目指している。

食材の仕入れから製造までこだわった商品(MiL提供)
創業前はベビーフードとは無縁だった。20代でキャリア支援する人材会社を2社起業した。就職や転職の支援は「点」のように感じた。「親友や夫婦のように、良いときも悪いときも一緒にいるような『面的』な付き合い方が自分には合っている」。人生について考えを巡らせていた。
同じ頃、障害児支援に関わっていた杉岡さんの妻も仕事に悩んでいた。保育士と介護士の資格を持ちながらも食事支援の課題に直面した。偏食に悩むダウン症児の親に対し、介護や保育の専門知識があっても有効な支援ができなかった。
互いに悶々(もんもん)とした思いを抱く中、妻が知人のシェフを紹介してくれたことを機に「これだ」と視界が晴れた。子どもの幸せな人生を親が支える過程で「食」に着目した際、子どもの成長や親の悩みに伴走する継続的な「線の関係」を築けると確信した。一部企業が寡占するベビーフード産業も「おかしい」と感じた。1社で複数のブランドを展開するなど従来型の商慣習を変えれば、「十分な利益も出せる」と見込んだ。
28歳だった2018年、妻とこのシェフの3人でMiLを創業した。社名は英語のミール(食)、アイ(私)、ライフ(人生)の頭文字から取り、「食事と人生をつないでいこう」...
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