
(左から)路上観察学会の歩みを振り返る藤森照信さん、南伸坊さん、林丈二さん=都内で
路上の森羅万象を観察・記録し、独特の面白さを見いだしてきた「路上観察学会」の40周年記念シンポジウムが、東京都内であった。来場者約700人を前に、結成メンバーの建築家やイラストレーターらが当時の思いや秘話を披露。若い世代が路上観察の楽しみを語り合った。(押川恵理子)

1972年、新宿・四谷にあった旅館「祥平館」の横についた階段。入り口はなく、上っても下りるしかない「純粋階段」©赤瀬川原平
同会は1986年6月、前衛芸術家で作家の故・赤瀬川原平さんらがつくった。上っても下りるしかない「純粋階段」などを発見。街歩きのブームにつながり、2006年のベネチア・ビエンナーレ国際建築展でも注目を集めた。
シンポで建築家の藤森照信さんは、千代田区の学士会館前で行われた同会の発会式にまつわるエピソードを明かした。会館側に電話で連絡したところ「ドジョウカンサツ」と間違えられ、「うれしかった」と振り返った。そんな風に面白がる精神が活動を貫く。
根底には社会の「もっともらしいこと」への抵抗もある。「僕らに言わせたら、その頃の芸術は面白くなかった」とイラストレーターでエッセイストの南伸坊さん。便器を「泉」と題してそのまま作品にし、20世紀の芸術に大きな影響を与え...
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