ホーム 消費 ファイナンス 技術 ファッションアイコン 親子教育 もっと

自由な空気 息づく人々 「日々を慈しむ、描く-安西啓明の日本画を中心に-」展 〈美術評〉藤田一人

2026-06-30 HaiPress

安西啓明《雨の子》1950年大田区蔵(筆者撮影)

昨今、美術展を観(み)回っていて感じるのは、所謂(いわゆる)“風俗画”というものを見かけなくなったこと。勿論(もちろん)、賑(にぎ)やかな都市風景やファッショナブルな人物像などはよく見かける。しかし、そこに人間と風景との関係性が希薄というか、個々の生活の営みが浮かんでこないというか…。兎(と)に角(かく)、私たちが“いま”“ここ”で生きているという、日常生活への共感が乏しいのだ。

そんな思いを抱きつつ日本画家、安西啓明(1905~99年)の戦前、戦中、戦後間もなくの家族や身近な人々を描いた作品を観ると、そこにはしっかりとした日々の人々の生活が息づき、時を超えて観る者の共感を呼ぶ。

安西は16歳で当時院展同人だった川端龍子に入門。龍子が青龍社を立ち上げて以降、同社を拠点に活動し、師の画塾・御形塾の塾頭を務めるなど、同門の主要画家となる。そうして1960年代以降、急激に変貌を遂げていく東京の連作が注目され、青龍社解散後もライフワークとして描き続けた。

そんな画家が戦前、戦中、戦後にかけて描いたのが、家族をはじめとする身近な人々の日常の姿。描かれたのは、戦前の不況、戦時の不安と恐怖、そして敗戦による混乱と荒廃と、苦難の時代。しかし各々(おのおの)の作品には、毎日を自分なりに明るく、楽しく生きようとする健気(けなげ)さが表情に浮かぶ。真相は分からない。が、画家は目の前の人々をそう捉えたかった。絵を描くということは、いかなる現実にも納得のいく可能性、ささ...

残り

633/1266 文字

この記事は会員限定です。

無料会員に登録する

有料会員に登録する

ログインして続きを読む

有料会員に登録すると

会員向け記事が読み放題

記事にコメントが書ける

紙面ビューアーが読める(プレミアム会員)

※宅配(紙)をご購読されている方は、お得な宅配プレミアムプラン(紙の購読料+300円)がオススメです。

会員登録について詳しく見る

よくある質問はこちら

免責事項:この記事は他のメディアから複製されています。転載の目的は、より多くの情報を伝えることです。このウェブサイトがその見解に同意し、その信頼性に責任があることを意味するものではなく、法的責任を負いません。 このサイトのすべてのリソースはインターネット上で収集されます共有の目的は、すべての人の学習と参照のみです。著作権または知的財産権の侵害がある場合は、メッセージを残してください。

最新の

全国の博物館が「追いつめられた」 戦争資料の廃棄も選択肢…「最終手段」現場の葛藤

事業再生など手がけた「弁護士法人IZX」が民事再生 コロナ禍の支援策拡充が影響

新宿駅からボウリング場が消える 歌舞伎町の半世紀見つめた「コパボウル」、常連客の思いは

「戦争当時の暗闇」を中野坂上駅の近くで体感 成願寺の「旧」防空壕を見学可能にした住職の決断

木陰で読書楽しみ健康に 江戸川区「緑陰図書館」51年ぶり 世代間交流目的 児童書や小説など100冊

英語を使って世界の文化に触れよう 都が子ども向けイベント

© 著作権 2009-2020 毎日の时事    お問い合わせください  SiteMap