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「田島硝子」手作りガラス1日2500個を製造…訪日客向けやアニメまで「伝統工芸を守っている感覚はない」

2026-03-19 HaiPress

<東京・首都圏光る中小企業~しんきん優良企業>

首都圏にはキラリと光る技術やサービス、経営力のある中小企業が数多くあります。2025年度しんきん優良企業(東京都信用金庫協会など主催)に選ばれた主な企業を紹介します。今回は東京都江戸川区の「田島硝子」。

◇◇

◆「外国人が持つ日本のイメージのひとつは富士山」

グラスにウイスキーやウーロン茶を注ぐと、底から雪をまとった夕焼けの富士山が現れる。インバウンド(訪日客)だけでなく、日本人も魅了する「富士山グラス」を、田島硝子(がらす=東京都江戸川区)は一つずつ手作りしている。

「伝統工芸を守っている感覚はない」と話す田嶌大輔社長=東京都江戸川区で

1956年に創業。日本で10社しかない江戸硝子と江戸切子(きりこ)の製造会社の代表格だ。約1400度の炉で熱のこもる仕事場では、45人の職人がガラスを吹き、模様を刻み、1日に約2500個を完成させる。柔らかい口当たりで評価の高い厚みは「職人の感覚で作られている」と田嶌大輔社長(50)は明かす。

富士山グラスの発売は2015年1月。国が訪日客の誘致に一層力を入れ始めたタイミングに合わせて作り始めた。グラスの底から盛り上がる富士山の作り方は企業秘密。「外国人が持つ日本のイメージのひとつは富士山。それに富士山を使ってもロイヤルティーはかからないので」と、社長は笑った。

◆「ものづくりは楽しいが、98%はつらいことばかり」

ガラス業界の厳しさを知る父に頼み込んで入社し、36歳の時に3代目社長に就任した。現在、職人の最高齢は江戸切子が77歳、吹きガラスが66歳。子どもの頃から付き合い、時には互いに厳しい言葉を交わす仲でもある。だが、現場では「見て覚えろ」「しかって教える」がもう通用しない。近い年代で気軽に話しやすくするため、各世代を広く採用している。

「ものづくりは楽しいが、98%はつらいことばかり。腕のある職人がいても仕事量が安定していなければ会社は揺らぐ」と、有名キャラクターやアニメとのコラボなども手がける。

「江戸時代から続く仕事を令和まで続けている。だが、伝統工芸を守っているという感覚はない」。客のニーズに応じたガラス製品のぬくもりを生み続ける。(古川雅和)

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