東京都豊島区役所に開設された外国人専用の相談窓口
東京都豊島区は、外国人が母国語で相談できる専用窓口を区役所に開設した。中国語と韓国語に堪能な相談員を1人配置しているほか、タブレット端末を利用したテレビ電話などで22言語に対応する。7月の開設後2カ月間で、計225件の相談が寄せられた。(中村真暁)
窓口は昨年度、区の新たな取り組みを区民に提案してもらい、区民の投票で選定する「事業提案制度」で実現した。日本語学校職員から「日本の生活を知らず、困っている生徒が多い。外国人が情報を入手できる支援拠点が区にあれば」という意見が出ていた。
相談数は7月が144件、8月が81件。昨年度、区全体で外国人からの相談は月60件前後で、専門窓口ができたことでより多くの声が寄せられた。内容は税・保険・年金が42%、児童手当・医療証・保育園など子ども関連が14%、法律が8%。出身国・地域では中国が64%で、ミャンマーの10%、ベトナムの7%が続いた。異なる部署や民間支援団体につないだケースもあったという。
公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(新宿区)や区民社会福祉協議会などによる外国人支援ネットワーク「としまる」とも連携。8月からは月1回ほど、としまるの特別相談会を専用窓口そばで開く。9月の相談会に訪れたミャンマー出身の男性(56)は「すぐに必要書類などが発行でき、便利だった」と満足そうだった。
10月には物価高を受けて、食料品を配布する「フードパントリー」もとしまると協力して初めて区役所で開く。沢田健司・多文化共生推進担当課長は「多くの外国人に、気軽に相談してもらいたい」と話した。
区に住民登録している外国人は9月1日現在、3万5181人で、人口の11.9%を占める。
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