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再開発の街、歴史と記憶を継承 葛飾の京成立石駅周辺 書籍「みんなの立石物語」第2号を発行

2024-08-22 HaiPress

立ち退きを控えた中華料理店で取材をする塔嶌さん(右から2人目)らプロジェクトのメンバー=2023年6月撮影

昨秋から本格的な再開発工事が始まった東京都葛飾区の京成立石駅周辺の街の記録を残そうと、住民有志のプロジェクトが、街に暮らす人々の声を集めた書籍「みんなの立石物語」の第2号を発行した。昨年9月に出した第1号には街の内外から反響があり、メンバーは街の歴史と記憶を伝える手応えを感じている。(小形佳奈)

第2号には「吞(の)んべ横丁」にあったスナックのママ、芸者だった大叔母が内縁の夫に約70年前に建ててもらった家に暮らす男性、モツ煮込みが大人気だった居酒屋のママらが登場。それぞれの立ち退き後の様子も紹介している。立石生まれで区教育委員会主査学芸員の谷口栄さんによる連載も始まった。

「みんなの立石物語プロジェクト」の呼びかけ人で地元の米穀店勤務・塔嶌(とうじま)麦太さん(29)は、第1号発行を契機に多くのメディアの取材を受け、メンバー自身が脚光を浴びたが「主人公は街と街の人々」と再認識したという。

書店の郷土本コーナーに並ぶ「立石物語」=いずれも葛飾区で

第1号は初版の千部が5カ月ほどで完売し、500部増刷。元住民からの街を懐かしむ声や、海外に暮らす立石出身者から「自分の祖父を取材して」などの声が寄せられた。塔嶌さんは「立石かいわいでしか読まれないかと思っていたが…」と、反響の大きさに驚いたという。

メンバーには出版社社員や写真愛好家らがいる。これまでに23人にインタビューし、「第5号までのネタは既にそろっている」(塔嶌さん)が、それぞれが本業の合間に作業を進めるため、次号の刊行時期は未定という。

A5判100ページ、800円。「POTATO CHIP BOOKS」(立石7)、ブックスオオトリ四つ木店(四つ木2)の2書店のほか、立石エリアの商店、プロジェクトのホームページで販売。


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