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ラ・メゾン白金グラン本店【港区・白金高輪】チョコレート菓子の極め付き「ショコラサンド」

2024-08-13 HaiPress

定番のビターとキャラメル味の「ショコラサンド」(1個238円〜)。クッキーもチョコも濃密で厚みたっぷり。

新店舗が次々と誕生しては消えていく、オールジャンルのグルメ激戦区、東京。そのなかで何世代にも渡ってお店を守り続け、客を魅了し続ける名品、名店がある。なぜ、それほどまでに人を惹きつけてやまないのか。その魅力を探る「名品さんぽ」の第29回は、“上質なカジュアル”がテーマの洋菓子ブランド「ラ・メゾン白金グラン」の本店を訪ねた。

高級住宅街でリピーターを増やす洋菓子ブランド

セレブなまちとしてのイメージが強い白金高輪。このエリアに暮らす女性たちを“シロガネーゼ”と呼ぶようになったのはバブル後期ごろと言われているが、そもそも「白金」という地名にもセレブな謂れがある。

時代は室町、この地を開拓した豪族の名が柳下上総介(やぎしたかずさのすけ)という。大量の銀を所有しており、当時は銀のことを「しろかね」と言ったことから、“白金長者”の異名をとった。それが地名に転じ、江戸時代には大名の下屋敷(別荘)が、明治時代には邸宅や大使館が建ち並ぶようになり、都内屈指の邸宅街に発展して今に至る。歴史が裏付ける、由緒正しいセレブなまちなのである。

全面ガラス張りで白を基調にした店内。生菓子も含めた充実の商品ラインナップ。

そうした白金高輪エリアに店を構えるのは、ある種のステイタスであり、ブランド価値となるが、舌の肥えた住民たちを納得させるのはなかなか難しい。平成26年(2014年)に洋菓子ブランドとして誕生し、令和2年(2020年)に開店した「ラ・メゾン白金グラン本店」は、30〜60代の幅広い層に支持され、リピーター率の高い店舗としてこの地に根づきつつある。


しかも白金高輪駅直結のステーションビル1階と、坂の多いエリアにあって、坂道とは無縁。途中下車も気軽にできる好立地にある。隣接の店舗やすぐ近くの階段に気を取られて視界に入りにくいが、迷わなければ3番出口から歩いて1分もかからない。

開店以来、カフェやブーランジェリーを併設した時期もあったが、令和6年(2024年)6月、洋菓子販売のみの店舗スタイルに生まれ変わった。

贅沢な気分に浸れる究極のチョコサンド

ライトグレーに金の箔押しがアクセントに映える、手土産にも喜ばれるフレンチテイストのパッケージ。

そのラ・メゾン白金グラン本店の開店当初から看板商品として不動の人気を誇るのが「ショコラサンド」だ。クッキー生地にチョコレートをサンドしたシンプルな洋菓子だが、これがグルメ通のセレブたちを唸らせた。

テイストはビターとキャラメルの2種。これに春夏と秋冬の2シーズンごとに季節限定2種が加わって全4種で展開している。ショコラサンドは個包装されており、封を開けるとふくよかな香りがふわっと鼻腔をくすぐる。それも合成甘味料や香料ではなく、素材本来の優しい香りだ。

一口食べると、密度の詰まったサクサクの生地と、口溶けなめらかなクーベルチュール・チョコレートが、初めは口の中で個々の味や風味が広がるが、しだいにしっとりと溶け合って絶妙なコンビネーションで美味しさを倍増させる。濃厚なのに軽いテイスト。二段構えで押し寄せる多幸感で、1枚、いや一口目ですでに心身ともに満たされる。

「季節のショコラサンドは、春夏はピンク、秋冬は薄茶など色味の変化も意識しています」と語る第一商品部の池田さん。

「他店舗や催事を含めて年間約200万個を販売しています。本店を利用されるお客さまは近隣の方が中心で、半分以上がリピーターです。そうしたお客さまから『人に勧めたくなるスイーツ』『誰に贈っても喜ばれる』とよく言っていただけています」

そう語るのはラ・メゾン白金グラン本店を運営するジェイ・ワークスの第一商品部の池田佑さん。ジェイ・ワークスは昭和63年(1988年)にパッケージ会社からスタートし、ラ・メゾン白金の他に自社ブランド「ベル アメール」「セバスチャン・ブイエ」を立ち上げ、レストランも運営する稀有なメーカーだ。

「ラ・メゾン白金は松屋銀座の催事に出店したのが始まりです。当時、白金でフレンチレストランのラ・クープドールを運営していて、ベーシックかつ高級感あるフレンチスタイルの洋菓子の開発からブランド化していきました」

甘党じゃない人にも好まれる、真の甘さ控えめスイーツ

季節や天候の湿度や気温、熟練の職人らが培った知見とスキルをデータベース化し、1年を通じてクオリティがキープされている。特別な日のスイーツではなく、日常のお菓子として食べてほしいという思いから、高級感ある洋菓子ながら良心的な価格なのも嬉しい。

「タブレット」(6枚1404円〜)のナッツは“顔”に見立てた配置で、それぞれ表情が異なる遊び心をプラス。

「近隣にはオフィスも多く、男性が1人でふらっと買いに来てくださることもよくあります。甘いもの、チョコが苦手な方にもショコラサンドのビターは人気が高いです」と嬉しそうに語る池田さん。甘さ控えめを謳うスイーツは世間に数多くあるが、このビターはトップクラスで、カカオの風味とコクを上手に引き出し、甘党じゃない人も虜にする魅力を放つ。

「より見た目が華やかで、ナッツやフルーツをトッピングした香り豊かな商品として『タブレット』もおすすめです」と池田さん。チョコレートの厚み、口溶けの良さ、そして贅沢なトッピングで、板チョコのイメージを変えるスペシャルな1枚だ。

また、お客さまに寄り添う接客もリピーターが多い理由の一つ。お客さまの名前や前回購入した商品から会話が広がることも多く、商品を売る・買うだけではないやりとりも顔馴染みを増やす魅力になっているようだ。

そして「せっかくお越しいただくなら……」と池田さんが散策コースとして紹介してくれたのが、店から歩いて5〜6分の距離にある、港区最古の神社・白金氷川神社。境内は都心とは思えない静寂な空間に包まれ、そこからさらに北へ5分ほど歩くと、今度は飲食店が多い下町情緒あふれる白金商店街が目の前に広がる。

「お時間がなければ、店の前の都道415号線から東京タワーがビルの谷間が見えることがあります。タワーをご覧になるだけでも、非日常感をお楽しみいただけるかと思います」と、これから訪れる初めてのお客さまにも、慎ましく寄り添ってくれた。

<今回の取材先>

ラ・メゾン白金 グラン本店

令和2年(2020年)12月オープン。都営三田線・東京メトロ南北線白金高輪駅3番出口より徒歩30秒。または都営浅草線・京急本線泉岳寺駅より徒歩15分。カフェ併設の洋菓子店から、令和6年(2024年)6月12日に洋菓子専門店としてリニューアルオープン。販売スタッフ4人による、細やかな接客に定評がある。本店以外に系列6店舗(1店舗は大阪)にあり、ネット販売もしている。贈り先の住所がわからなくても送れるeギフトにも対応。

<データ>


住所 東京都港区白金 1-27-6 白金高輪ステーションビル1F


電話 03-6277-1115


営業時間 11:00~19:00


定休日不定休

※新型コロナウイルス感染症の影響で、掲載したお店や施設の臨時休業および、営業時間などが変更になる場合がございます。事前にご確認ください。


※2024年8月13日時点での情報です。


※料金は原則的に税込み金額表示です。


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